「健こんぱすQ&A 先生に聞いてみよう!-手洗いによる手荒れ対策-」

新型コロナウイルス感染症の蔓延とともに、日常生活で手を洗う頻度が増えましたね。

しかし、その手洗いで手が荒れてしまっている!!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
感染対策に手洗いは重要ですが、手が荒れてしまうと細菌やウィルス侵入のリスクが高くなるため
「手洗い」とともに「肌荒れ対策」「手のスキンケア」もとても重要です。

この記事では、手洗いの重要性と手荒れ対策について、医師の知見に基づいた情報・アドバイスをお届けします。

今回は、地域や海外の医療現場、また、産業医としても活躍する、
プライマリケアドクターの三島千明先生(以下先生)に、手洗いと手荒れについて健こんぱすスタッフ(以下スタッフ)がインタビューしてみました!

1.手洗いの効果は絶大!?

スタッフ「先生。手洗いは、やっぱり効果があるのでしょうか?」
先生  「あります。流水で洗うだけでは手に付着しているウイルスが減少しないことは、みなさんご存じですよね。」

スタッフ「では、どのくらい手洗いをすればウイルスを減らせるのでしょうか?」
先生  「まず、手洗いをしていないときの手のウイルス量は約100万個と言われています!
ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐ“というのを2回行うことで、ウイルス量は、手洗いなしの100万分の1になります。」

「Norovirus の代替指標として Feline Calicivirus を用いた手洗いによるウイルス除去効果の検討」感染症学雑誌.80:496-500(2006)参照

スタッフ「医療機関で働く先生方は1日に何回手を洗うのでしょうか?」
先生  「診療科にもよりますが、日常的な手洗いに加えて、患者さんの医療行為やケアの前後にも行います。クリニックでは1日20回以上は洗っていると思います。手術や処置の多い外科医はもっと厳重な手洗いを行っています。」

スタッフ「それほど手洗いは重要なのですね。医療系のドラマで腕までしっかり手を洗っているシーンをよく見かけますが、あれは本当だったんですね。」

2.豆知識!新型コロナウイルスの生存時間について

スタッフ「ウィルスが付着したものって、取れにくいのでしょうか?」
先生  「“もの”に付着しているウイルスの生存時間は異なります。新型コロナウイルスですと、アメリカ疾病対策センター(CDC)、カルフォニア大学ロサンゼルス校、プリンストン大学の共同研究によって、ウイルスが残っている時間について報告されています。長い期間ウィルスが付着している可能性があるため、こまめな手洗いが重要です。」

  • 小銭…4時間
  • 段ボール…24時間
  • 割り箸…2日
  • 紙、グラス、紙幣…4日
  • プラスチック、ステンレス鋼…3~7日
  • マスクの外側…7日

「Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-」N ENGL J MED. 382. 16. (2020)、Alex W H Chin. et al.「Stability of SARS-CoV-2 in different environmental conditions」THE LANCET Microbe. 1. (2020)参照

スタッフ「毎日使用しているマスクの外側はウイルスの生存時間が1週間も持続するのですね。使用済みマスクの管理に注意が必要ですね。」

3.手洗いの回数が増えたことで、手荒れが起こってしまう

スタッフ「手洗いで、手についているウイルスが減少するとのことですが、その手洗いのし過ぎによる手荒れが起こっている方がいるようです。」
先生  「手の皮膚は、皮膚表面の角層(角質層)とそれを覆う皮脂のコーティングにより皮膚の水分を保つことができています✧˖°この機能があることで、皮膚のうるおいが保たれているだけでなく、細菌やウイルスの侵入も防ぐ役割も併せ持っています。」
先生  「しかし、手洗いや最近使用頻度の高いアルコール消毒により、上記の手の機能が失われることで手荒れが引き起こされます。特にアルコール消毒は、肌の皮脂膜を溶かしてしまうので、より一層皮膚の油分を奪うリスクがあります。」

スタッフ「でもアルコール消毒は、コロナ禍において欠かせないですよね…」
先生  「はい。アルコール消毒はこれからも生活の身近にあると思いますので、しっかりと手荒れのケアや予防を一緒に行うことが大切です。」

4.手荒れが起こってしまったら?

スタッフ「手荒れには、どのような対処・対策が必要でしょうか。」
先生  「手荒れとその予防に効果的なのが、やはり保湿です。ひび、あかぎれなどの手荒れには肌の皮脂・水分を逃がさないようにするハンドクリームや保湿剤を日頃から適切に使用することが重要です。」

スタッフ「ハンドクリームや保湿剤を、より効果的に使う方法はありますか。」
先生  「使用する前は、手に付着している水分を清潔なタオルでふき取ってから使用すると効果的です。
また日々の水仕事をする際は、ゴム手袋を使用するなどを行うと皮脂を守ることができ、予防や手荒れの防止につながります。」

スタッフ「手荒れを日頃から予防することも大事ですね。」
先生  「もし、ハンドクリームや保湿剤で手のケアをしていても、かゆみや赤みなどの症状が改善されない場合は、かかりつけ医または皮膚科を受診しましょう。」

スタッフ「先生オススメのハンドクリームはありますか?」
先生  「そうですね~、ポンプ式は使い勝手がよく、私の自宅の手洗い場にも設置していてこまめに使うようにしています。」
スタッフ「ポンプ式、最近流行っていますよね。先生もいろいろなことを試してらっしゃるのですね。先生、ありがとうございました!」

 

医師が薬剤師と考えたセルフケアアプリ「健こんぱす」では、手荒れや肌トラブルはもちろん、気になる症状・目的に合わせて、正しくセルフケアを行ってもらえるよう、医師と薬剤師からの情報・アドバイスを受けることができます。
自分の健康は自分で守る、セルフケア力を鍛えるためのサポートとして、是非「健こんぱす」をご利用ください。

おすすめ記事

ページ上部へ戻る